知覚推理力って何? 〜お子さんの考える力を伸ばすヒント〜
「知覚推理力」、ちょっと聞き慣れない言葉ですよね。でもこれは、「目から入る情報を使って、答えを見つける力」のことなんです。たとえば、地図を読んだり、頭の中でブロックを組み立てたりするのも、この力を使っています。この能力は、学力テストの問題を解く時だけでなく、初めて訪れる場所で道順を見つけたり、友達とボードゲームで遊んだりする時にも役立つ、日常生活に欠かせない力なんです。
「ひらめき」と「論理」の組み合わせ
知覚推理力は、直感的な「ひらめき」と、段階的に考える「論理」の2つの力でできています。
- ひらめき:たくさんの図形の中から仲間はずれをパッと見つけたり、バラバラのパズルを直感的に組み合わせたりする力です。これは、見たものを瞬間的に全体として捉え、そこに隠されたルールやパターンを無意識のうちに察知する能力と言えます。新しい状況に直面したときに、瞬時に「こうすればいいかも!」とアイデアが浮かぶのは、この力が働いているからです。
- 論理:図形がどんなルールで動いているか見抜いたり、数字の並びから次を予測したりする力です。この力を使うとき、お子さんは「なぜそうなるのか?」と頭の中で順序立てて考えています。数学で証明問題に取り組んだり、理科の実験で因果関係を解き明かしたりする活動は、まさにこの論理的な思考を育む良い機会となります。
つまり、知覚推理力は「情報の中に隠れたパターンやルールを見つけて、答えにたどり着く能力」ってこと!どちらか片方だけではなく、この二つの力がバランスよく働くことで、複雑な問題もスムーズに解決できるようになります。
お子さんの知覚推理力を伸ばすには?
この力は、受験はもちろん、社会に出ても役立つ「問題解決能力」につながります。特別なことではなく、いつもの遊びや会話に少し工夫するだけで大丈夫です。
- 一緒にパズルやブロックで遊ぶ:「このピースはどこかな?」と声をかけ、お子さんのひらめきを刺激しましょう。立体パズルや、想像力を働かせる知育玩具もとても効果的です。お子さんが自分で試行錯誤するのをじっと見守ってあげてください。
- まちがい探しやクイズを楽しむ:ゲーム感覚で、観察力や集中力がアップします。テレビや雑誌のまちがい探しはもちろん、街の看板や建物のデザインなど、身の回りのものに隠れた「まちがい」を探すのも面白いですよ。
- 身の回りのものをじっくり見てみる:「あの雲、何に見える?」「この模様って、どんな規則で並んでる?」なんて話すことで、パターンや法則に気づくきっかけになります。自然の中にある幾何学的な模様(葉っぱの形や花びらの枚数など)に注目してみるのも、新しい発見があって楽しいですよ。
学校教育で算数・数学を学ぶ本当の意味
算数や数学で公式を覚えたり、計算力を高めることも大切ですが、算数・数学の学習を通して知覚推理力を鍛えることこそが本当の価値だと思って指導しています。
「考えるって楽しい!」と感じ、「できた!」という成功体験を積み重ねることで、「自己肯定感」と「ひらめき力」、「論理的思考力」が高まり、社会に出てからとても役立つ力になります。
数学を通して成長するお子さまを応援してあげてください。
